『平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版 (ちくま文庫 み-40-1)』
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アルコール依存症、離婚を経て、取り組んだ断酒。自分の弱さを無視して「何者か」になろうとするより、生活を見つめなおし、トルストイとフィッシュマンズなどに打ちのめされながらも、すでにあるものを感じ取るほうが人生を豊かにできると確信する。様々な文学作品を引きながら、日常の風景と感情の機微を鮮やかに言葉にする。新たに3篇を加え増補新版として文庫化。
カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン)
カバー作品 勝木杏吏
作品撮影 森田直樹
【目次】
1章 ぼくは強くなれなかった
打算的な優しさと「〇を作る理論」
rashita.icon打算的な優しさは、そうでない優しさよりも価値が劣るのだろうか、という問い
意図と結果のずれ
rashita.icon優しい人になりたいとたまには思う人が、優しい人なのではないか
rashita.icon僕も「〇を作る理論」派だったが、最近考えを改めつつある
「何者か」になりたい夜を抱きしめて
rashita.icon
「何者か」とは何者か
明確な定義を欠いた状態
誰かに認知されていること
BEとDO
僕は強くなれなかった
rashita.icon
弱さを受け入れるという強さ
ありのままの世界
変化していく世界がそこにある
移り行く時間がそこにある
平熱のまま、この世界に熱狂したい
熱狂することで見えなくなるものがある
2章 わからないことだらけの世界で生きている
朝顔が恋しているのは誰?
不快だけど大切なことを教えてくれた作品
私はそうは思いません
35歳問題
わからないことだらけの世界で生きている
3章 弱き者たちのパレード
二瓶さんとの雅な蹴鞠
舌の根が乾かないおじさん
ヤブさん、原始的で狂おしい残念な魅力
紳士は華麗にオナラする
肉と人と醜いアヒルの子
中田英寿に似た男
4章 弱くある贅沢
「細マッチョ」をめぐる冒険
クローゼットの中の時間
弱くある贅沢
僕の好きだった先輩
補章 川下への眼
一生懸命で寂しい人
八〇〇回目くらいの話
川下への眼
あとがき
文庫版あとがき
飄然と、弱い自分を語ることから始める 山本貴光
全身随筆家 吉川浩満